2017年11月21日

メッセージリレー第6回 鯛中卓也さん

鯛中卓也.jpg
(1)今回のフェスティバル参加への意気込み
ショパンにはずっと惹かれ続けており、どの作曲家にも増して多くの作品に取り組んできました。
このフェスティバルでは、私にとって特に大切な前奏曲集を弾かせて頂けることになり、心から嬉しく、改めてこの作品と向き合い、深めていきたいです。

(2)演奏される曲目の紹介
今回取り上げますOp.45の前奏曲と24の前奏曲集Op.28は、作曲時期の上で僅か数年の隔たりしかありませんが、作風は大きく異なります。
まず、Op.45は単独で書かれた作品で、流れるような転調の綾の中で主題が何度も回帰し、即興的な趣をもちます。
この曲に溢れる色彩感は、後期ショパンは勿論のこと、ドビュッシーやラヴェルを予感させるような美しさを湛え、彼自身の音楽語法がより草書的になり、自由で幻想的な境地が窺えます。
一方、24の前奏曲集Op.28は、J.S.バッハの平均律クラヴィーア曲集に影響を受けて作曲された意欲的な大作です。
作曲技法においては確かに先人の跡が見て取れますが、そこに表れた音にはいずれもショパンの個性が宿っており、五度圏の循環をもとに長短調が平行関係で結びつく調性配置といった全体の構成も独創的です。各曲が連なることで、詩的で鮮やかな陰影を描きつつ、背後では動機やハーモニーによって互いが関連付けられ、全体でひとつの小宇宙を織り成します。

(3)作曲家ショパンへの思い
私がピアノという楽器に魅せられる中で、自然とショパンの音楽に触れるようになりました。
最近では、音楽そのものの美しさに加え、孤高の精神性に強く惹かれています。

(4)イブニングコンサート(すばるホール)での思い出
すばるホールというと、その名前から宇宙的なものを連想させられます。
5年前にイブニングコンサートで演奏させて頂いた際は、ショパンのバラード第4番、R.シュトラウスの小品、シューマンの幻想曲という3曲が音楽的に繋がりあうことでひとつの大きな世界を描くといったプログラムを組みました。
当時、どれも初挑戦の曲で準備に苦労しましたが、今でも機会があれば、改めて取り上げたいお気に入りのプログラムとして思い出になっております。
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追加メッセージをご覧いただけるピティナ(一般社団法人全日本ピアノ指導者協会)のページはこちらをクリックしてください。
http://www.piano.or.jp/concert/tieup
posted by subaruhall at 09:35| Comment(0) | 日記
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