2018年02月17日

最終回 公演レポート

 1月20日(土)、21日(日)に「すばるショパンフェスティバル」を開催しました。
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まず20日(土)は、ショパンのピアノ独奏曲を9人のピアニストがリレー形式で演奏する「ショパン・マラソンコンサート」を開催。11時の開演からなんと8時間をかけてショパンの主要作品(全26曲)を演奏しました。ショパンのピアノ作品は多くのコンサートで演奏されていますが、これだけの数の作品を一気に聴いてしまえるという国内外でも珍しい企画です。また、ご出演いただいた若手ピアニストは、「すばるイブニングコンサート」の出演者で、日本最大級の規模を誇るピアノ・コンクール「ピティナ・ピアノコンペティション」全国決勝大会で優秀な成績を収めた逸材ばかり(三好朝香さん、三重野奈緒さん、吉原佳奈さん、太田糸音さん、水本明莉さん、鯛中卓也さん、酒井有彩さん)。ゲストには、最年少で特級グランプリに輝いた山ア亮汰さんと、以前に富田林のリトルピアニストたちと共演してくださった今野尚美さんをお迎えしました。どのピアニストも深く豊かな表現力で、個性あふれる色とりどりのショパンを演奏してくださいました。さらに、このコンサートを最後まで完聴してくださった方がなんと83名もおられ、記念にプラネタリウムの観覧券をプレゼントさせていただきました。

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 翌21日(日)は、ピアニストがオーケストラと共に演奏するピアノ協奏曲をお贈りする「ロマン派のピアノ協奏曲」を開催。オーケストラの公演において、協奏曲はプログラムに含まれても1曲というのが一般的ですが、今回はなんとプログラム全て(3曲)をピアノ協奏曲で構成するというこちらも珍しく贅沢な企画。共演してくださったオーケストラは、すばるホールでもお馴染みの大阪交響楽団、そして、指揮は同楽団の常任指揮者である寺岡清高さんが務めてくださいました。シューマンのピアノ協奏曲では、今後の活躍が期待される東海林茉奈さんがシューマンの情熱を豊かに歌い、若々しく躍動感にあふれた演奏をしてくださいました。続いて、ショパンのピアノ協奏曲第1番は、ゲストの實川風さんがオーケストラとの見事な対話をきかせてくださり、ショパンのピアニスティックな魅力がぎっしり詰まった演奏をしてくださいました。そして、最後に登場していただいたのはすばるホールには4回目の出演となる関本昌平さん。これまで、ソロ・室内楽のコンサートでご出演いただきましたが、今回は協奏曲のソリストとしての登場です。関本さんにはリストのピアノ協奏曲第1番を演奏していただきました。まるで、オーケストラを牽引するかのような圧倒的な表現力、音色、音量で、リストが「ピアノの魔術師」と呼ばれたことを彷彿させるかのようなドラマティックな演奏で、2日間に渡るフェスティバルを締めくくってくださいました。
 ご来場いただいた皆様、誠にありがとうございました。すばるホールはこれからも若きピアニストの育成を図ると共に、クラシック音楽の振興に努めてまいります。
(担当職員T)
posted by subaruhall at 15:46| Comment(0) | 日記

2018年01月19日

メッセージリレー第14回 関本昌平さん

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(1) 久しぶりのすばるホールでの演奏になります。これまでソロと室内楽は弾いたことがありますが、コンチェルトは初めてですので、それらとは違った、指揮者やオケとの掛け合いや、その中でどういう風に独奏楽器を魅せるか、といった点にも。リストのピアノ協奏曲ということで、もちろんみなで一緒に音楽を作るわけですが、オーケストラをリードして、ぐいぐい引っ張っていく、そういう点も。

(2) リストらしい、ありとあらゆる技巧的なピアノの可能性に満ちています。今ではよく弾かれますが、その当時聴いた人はみな驚くような、そういう作品だと思います。そのような衝撃を与えるようなピアニスティックな技巧と、美しい歌もあり、様々なピアノの可能性を感じさせる音楽だと思います。「驚かせたいな!」と思います。

(3)ショパンは、自分が小さいときに初めてその作品に触れたとき、(たとえば、幻想即興曲や英雄ポロネーズ、ワルツ第1番や小犬のワルツなど今回も演奏される曲のことですが)「いったい自分の今やっているピアノってなんなんだ!」と思いました(笑)。
ツェルニーやブルグミュラーをやっていた時でしたが、「自分のやっている曲と全然違うじゃん!」と(笑)ピアノを最初に学習するときは、まず規則的なものをやるけれど、そういうときに、「革命」や「黒鍵」を聴くと、やはり、憧れますね。自分にとって、憧れを最初に感じた作曲家、とも言えます。皆さんもそうだと思いますが、実際やっていくと奥深いですし、また、ショパンコンクールでもたくさん弾いた思い出があります。

(4)自分の実家がのどかな所にあるので、最初からホールの雰囲気に親近感をもっていました。といっても、実家からは遠いのですけれどね(笑)。
posted by subaruhall at 17:42| Comment(0) | 日記

メッセージリレー第13回 實川 風さん

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(1) (2) 二日間に渡って催されるショパンの祭典、大変楽しみです!二日目にショパンのピアノ協奏曲第一番ホ短調を演奏いたしますが、この日は同時代を彩ったシューマンとリストのそれぞれ特徴的なピアノ協奏曲と並べてお聞きいただきます。僕は常々、ショパンほど他の作曲家の作品と混じり合わない作曲家もいないように思うのですが(ショパンが入るとリサイタルのプログラム作りが途端に難しくなるように思います。)、今回は三人の協奏曲を続けて聞くことで、それぞれの作曲家の独創性や気質までが浮き彫りになるのではないかなと思っています。
ショパンのピアノ協奏曲第一番は若かりしショパンの力作で、一見華やかで感傷的な音楽の内側に、不屈の力強さを秘めています。オーケストラとピアノが細やかに室内楽的に寄り添うことが求められます。ピアニストの自在な音の動きの中、オーケストラの各楽器はオブリガード的であったり背景に回る部分が大半であるためか「オーケストレーションが弱い」などと言われる事がありますが、僕はそうは思いません。この曲では、ホルン・ファゴット・ヴィオラ・チェロといった中低音楽器に大切なモチーフやピアノとの掛け合いがたくさん出てくるのですが、これはいざ弾いてみると、ピアノという楽器の音色の美しさが特に際立つ組み合わせなのです!なので、オーケストレーションが不得手なのではなく、ピアノをオーケストラと戦わせずに、双方を室内楽的に美しく対話させることをショパンは目指し、それに成功しているように思います。

(3)僕にとってショパンへの想いはとても複雑で、大好きなのに遠ざかっていくことの多い作曲家です。即興的でありながら堅牢な構築性を持ち、内側は感情でドロドロになっているのに、表面は精工で緻密に練り上げらていて、とにかく複雑な奥行きを感じさせる作曲家です。素直にショパンと一体化するような感覚までいける時は、ものすごく自由な感覚を味わえる作曲家だとも感じます。

(4)すばるホールでの演奏は今回が初めてなので、どんなホールなのかとても楽しみです。
posted by subaruhall at 17:20| Comment(0) | 日記